オトナの秘密基地
小作農家の嫁で、和子さんと同い年だという幸子さんも、3歳の女の子を連れて毎日参拝していた。
幸子さんの旦那さんも、半年前に赤紙が来て、南方へ行ったきり、だそう……。
「和子さん、今日も来ていたんだね」
「ええ、来ないと何だか落ち着かなくて」
地主の奥さんではあるけれど、元々小作農の娘だった和子さんは、結婚してからもみんなと変わらない付き合いを心掛けていたらしい。
だから、幸子さんの話し方もとてもフレンドリーだ。
「お腹、大きくなったぁ。
もう、いつ産まれてもおかしくないね。
若旦那様の無事と、安産祈願のふたつ分だから、いっつも祈ってる時間が長いんでしょ」
「そう! でも、護国神社って安産にもご利益あるのかな?」
「あるに決まってるっしょ!」
幸子さんの旦那さんも、半年前に赤紙が来て、南方へ行ったきり、だそう……。
「和子さん、今日も来ていたんだね」
「ええ、来ないと何だか落ち着かなくて」
地主の奥さんではあるけれど、元々小作農の娘だった和子さんは、結婚してからもみんなと変わらない付き合いを心掛けていたらしい。
だから、幸子さんの話し方もとてもフレンドリーだ。
「お腹、大きくなったぁ。
もう、いつ産まれてもおかしくないね。
若旦那様の無事と、安産祈願のふたつ分だから、いっつも祈ってる時間が長いんでしょ」
「そう! でも、護国神社って安産にもご利益あるのかな?」
「あるに決まってるっしょ!」