オトナの秘密基地
幸子さん達と別れて家に着いてから、ラジオをちゃぶ台の上に置いた。
いつでも出産できるように、普段は使っていない一番奥の部屋に、布団を敷いておく。
たらいと手ぬぐい、カツヤが使っていたらしい、赤子用の肌着も準備した。
後は産まれてくるのを待つばかり。
幸子さんがいる間に陣痛が来るよう、大きなお腹を抱えて、膝を開いてスクワットをしてみた。
夏の暑さにも負けず、必死にスクワットをする私を見たカツヤが一言。
「か~しゃん、おすもうさんごっこ?」
土俵入りじゃないわよ、と言いかけたけれど、カツヤのその一言で何かが弾けた。
もう、なるようになるでしょう、と開き直る。
案ずるより生むが易し、なんて言うし。
リアルなごっこ遊びを好むカツヤに、とことん付き合うことにした。
「そう、母さんは東の横綱、カツヤは西の横綱ね。
はっけよ~い、のこったのこった!」
「きゃははははっ!」
玉音放送まで、あと2時間余り。
陣痛が来る気配は、まだなかった。
いつでも出産できるように、普段は使っていない一番奥の部屋に、布団を敷いておく。
たらいと手ぬぐい、カツヤが使っていたらしい、赤子用の肌着も準備した。
後は産まれてくるのを待つばかり。
幸子さんがいる間に陣痛が来るよう、大きなお腹を抱えて、膝を開いてスクワットをしてみた。
夏の暑さにも負けず、必死にスクワットをする私を見たカツヤが一言。
「か~しゃん、おすもうさんごっこ?」
土俵入りじゃないわよ、と言いかけたけれど、カツヤのその一言で何かが弾けた。
もう、なるようになるでしょう、と開き直る。
案ずるより生むが易し、なんて言うし。
リアルなごっこ遊びを好むカツヤに、とことん付き合うことにした。
「そう、母さんは東の横綱、カツヤは西の横綱ね。
はっけよ~い、のこったのこった!」
「きゃははははっ!」
玉音放送まで、あと2時間余り。
陣痛が来る気配は、まだなかった。