オトナの秘密基地
目の前に並ぶベジタリアンな昼食を急いで食べ終わり、茶碗を片づけようと台所に立った時、またじんわりとお腹が痛くなった。
さっきよりも、痛いかも。
これはやっぱり、陣痛?
「幸子さん、陣痛かも」
そう言いながら、台所にもたれかかった。
「本当!? 和子さんは初産じゃないから、割と早めにお産が進むんでない?
産婆さん、呼びに行こうか?」
「待って。お昼の重大ニュースが終わってからじゃないと、きっと動けないよ。
それにまだ、大丈夫だから……」
朝のニュースで、天皇陛下から国民へのメッセージであることが伝えられていた。
どの国民も、必ず聴くようにと。
玉音放送開始まで、あとわずか。
陣痛の間隔はまだ、10分程度開いている。
今日中に赤子をこの世に送り出さなきゃならない。恐ろしいけれど。
さっきよりも、痛いかも。
これはやっぱり、陣痛?
「幸子さん、陣痛かも」
そう言いながら、台所にもたれかかった。
「本当!? 和子さんは初産じゃないから、割と早めにお産が進むんでない?
産婆さん、呼びに行こうか?」
「待って。お昼の重大ニュースが終わってからじゃないと、きっと動けないよ。
それにまだ、大丈夫だから……」
朝のニュースで、天皇陛下から国民へのメッセージであることが伝えられていた。
どの国民も、必ず聴くようにと。
玉音放送開始まで、あとわずか。
陣痛の間隔はまだ、10分程度開いている。
今日中に赤子をこの世に送り出さなきゃならない。恐ろしいけれど。