オトナの秘密基地
最後にまた、君が代が流れる頃には、陣痛が治まっていた。
額から汗が流れ落ちる。
「天皇陛下は何て仰ったの?」
玉音放送が終わってすぐ、アナウンサーが同じ文章を音読している中、幸子さんが率直な感想を述べた。
確かに、聞き取りにくい上、口語ではないのでとても理解しにくい。
私もこの放送だけでは、多分理解できなかったと思う。
それでもいずれ解ることだし、と、幸子さんにはこう伝えた。
「戦争が終わったの。
日本は、負けたっていう事みたい」
すると、幸子さんはケイコちゃんを抱き寄せながらぽつりと呟いた。
「……負けたんだ。
もう、戦わなくてもいいんだ。
また、家族みんなで暮らせるようになるんだ……」
額から汗が流れ落ちる。
「天皇陛下は何て仰ったの?」
玉音放送が終わってすぐ、アナウンサーが同じ文章を音読している中、幸子さんが率直な感想を述べた。
確かに、聞き取りにくい上、口語ではないのでとても理解しにくい。
私もこの放送だけでは、多分理解できなかったと思う。
それでもいずれ解ることだし、と、幸子さんにはこう伝えた。
「戦争が終わったの。
日本は、負けたっていう事みたい」
すると、幸子さんはケイコちゃんを抱き寄せながらぽつりと呟いた。
「……負けたんだ。
もう、戦わなくてもいいんだ。
また、家族みんなで暮らせるようになるんだ……」