オトナの秘密基地
卒業式の日、私は朝から体調が悪かったけれど、『会長』にお別れが言いたくて、無理して学校へ行った。
卒業式が厳かに執り行われ、『会長』の答辞が始まってすぐ。
私は体育館の床に、思いっきり嘔吐してしまった。
周りの友達が動揺するのは当たり前、後始末や換気でせっかくの答辞が台無しに……。
それなのに、保健室で横になっていた私のところに、式が終わってすぐ『会長』が来てくれた。
そして言われたのが、さっきと同じ言葉。
「和実は何も、悪くないよ」
という、優しい言葉をかけてもらって、私はベッドで声をあげて泣きながら謝った。
あの時、我慢しないで具合が悪いことを先生に伝えていたら良かったのに。
会長に対する気持ちより、後悔やその後みんなにからかわれて恥ずかしい気持ちの方が強くて、自分の中で封印したい過去になった。
卒業式が厳かに執り行われ、『会長』の答辞が始まってすぐ。
私は体育館の床に、思いっきり嘔吐してしまった。
周りの友達が動揺するのは当たり前、後始末や換気でせっかくの答辞が台無しに……。
それなのに、保健室で横になっていた私のところに、式が終わってすぐ『会長』が来てくれた。
そして言われたのが、さっきと同じ言葉。
「和実は何も、悪くないよ」
という、優しい言葉をかけてもらって、私はベッドで声をあげて泣きながら謝った。
あの時、我慢しないで具合が悪いことを先生に伝えていたら良かったのに。
会長に対する気持ちより、後悔やその後みんなにからかわれて恥ずかしい気持ちの方が強くて、自分の中で封印したい過去になった。