オトナの秘密基地
「それじゃあ、俺と前向きに付き合うってどう?」


「……え?」


あれ、家を貸してくれるんじゃなかったの?

付き合うって言った?


えええええっ!


「あ、あの、私達、まだお互いの事もよく知らないし……」


「割と知ってるつもりだけど。

特に小学生の頃の事は」


「忘れて下さいっ!!」


「俺の事、よく大好きって言ってたよね?

卒業しても忘れないでってしおりに書いてたし」


「それはそうですけど……」


どこまで本気なのか、わからない!

第一、二十年以上前に会ったきりの人なんだから。


「俺、仕事が超不規則で、現場が終わるまでずっと家に帰れなかったりするんだ。

だから、家を守っていて欲しいなって」
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