オトナの秘密基地
「それなら、別に付き合わなくても、私が間借りするとかでいいんじゃ……」


「駄目!

うちの祖母が許さないらしいから」


「和子さんが? どうしてわかるんですか」


「あいつがそう言ってたんだ。

君は祖母のお気に入りらしいから。

……俺も昔から気に入ってたけど」


驚くような事を言われて、彼の顔をまじまじと見つめた。

運転中の横顔が、ほんのり赤くなっている。


「見るなっ!

……何で俺、こんな事口走ってんのかよくわかんねぇ!」


どういう事!?
 
私、からかわれてる?


「わかんないって事は、嘘なんですか?」


「違う! 何故か思ったことが全部口に出るんだ。

あ、まずい。その……、頼むから耳塞いでくれないか?」
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