オトナの秘密基地
そこには以前撮った私の写メに合成された、衝撃的な見出しが並んでいた。


『あの干物女に熱愛発覚! お相手は33歳・大手ゼネコン勤務のイケメン?』


……またやったのか、麗華。

園子が菓子屋の御曹司と付き合い始めた時も、桜が主任と初めてお泊りデートした時も、こんな感じのデコメを送って来たっけ。


「どう、芸が細かいでしょ?」


誇らしげに言う麗華が憎めなくて、こう返す。


「面白いから、私にも同じのを送っといて」


「ふふふ。力作だったんだから~」


こんな事やってて、麗華はちゃんと働いているのか、甚だ疑問だ。

私と麗華がやり取りしている間、桜と園子は中田さんと話が弾んでいた。


「ええっ! 『会長』だったんですか!

園子、覚えてるよね?」


「覚えてます。

私、1年1組だったから、あんまり一緒に遊んでもらったことはないけれど」


そういえば、園子と麗華とは、3年生に進級してから同じクラスになったんだっけ。
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