オトナの秘密基地
「いい友達に恵まれてるね」


静かになった個室で、中田さんがくすくすと笑いながら話しかけてきた。


「小学校時代、あの防空壕を秘密基地にして遊んだ仲間なんです」


「長い付き合いなんだね。

同性の友達と、長く信頼関係を結べるっていうことは、やっぱり和実はいい子なんだ」


そう言われて、私も照れ笑い。


この個室、普段はマスターの占いで使っている場所らしく、重厚なカーテンと水晶玉、それに様々な占いグッズが並んでいる。

マスターが、自ら料理を運んできてくれた。


「お待たせしました。

さて、食べながら話を聞かせてもらおうか」


マスターに促されるまま、私達は今までの詳しい話を聞かせた。

特に、マスターが気になっているのは、正さんの事だった。


「こいつ、かなりの恨みを抱えてるな」
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