オトナの秘密基地
霊視が終わって、マスターが私達に話してくれたのは、正さんの心情。
「この正って男、死ぬ前にものすごく苦しんだらしい。
クスリが切れて、地獄の苦しみを味わいながら、自分の人生が狂ったのは、博矢のお祖母ちゃんからもらった戦時国債の価値がなくなったせいだって逆恨みしてる」
そんな……。
「だって、戦時国債の価値がなくなったのはその当時の人達みんな平等に、ですよね?
正さんだけが損した訳じゃないのに……」
「だから逆恨みなんだよ。
その程度の男だって事。
他人の金をあてにして、いざそれが手に入らないとなった時、自分ひとりじゃどうしようもなかったんだろう。
それで、安易に幸せが感じられるクスリに溺れて中毒死……」
そこまで話した時、突然、部屋の照明が消えた。
「停電か?」
マスターが慌てて個室のドアを開けた。
廊下も、それに続くホールも電気がついている。
この部屋だけ消えている、ということは……。
「この正って男、死ぬ前にものすごく苦しんだらしい。
クスリが切れて、地獄の苦しみを味わいながら、自分の人生が狂ったのは、博矢のお祖母ちゃんからもらった戦時国債の価値がなくなったせいだって逆恨みしてる」
そんな……。
「だって、戦時国債の価値がなくなったのはその当時の人達みんな平等に、ですよね?
正さんだけが損した訳じゃないのに……」
「だから逆恨みなんだよ。
その程度の男だって事。
他人の金をあてにして、いざそれが手に入らないとなった時、自分ひとりじゃどうしようもなかったんだろう。
それで、安易に幸せが感じられるクスリに溺れて中毒死……」
そこまで話した時、突然、部屋の照明が消えた。
「停電か?」
マスターが慌てて個室のドアを開けた。
廊下も、それに続くホールも電気がついている。
この部屋だけ消えている、ということは……。