オトナの秘密基地
部屋の空気が、急にひんやりした。

ドアを開けていたマスターが叫んだ。


「うわっ、ちょっと待て!」


何事!? とそちらを見ると、マスターが必死に開けた状態にしようとしているのに、ドアが勝手に閉まっている。

まるで、誰かがドアを操っているように見える。

部屋が再び暗くなった。


「まずい、閉じ込められた」


「えっ!」

「誰に?」


私達が聞くと


「決まってるだろう、その正って男。

……博矢のお祖母ちゃん、今こそ出番だ!」


ということは。


「正さんと和子さん、ここにいるの!?」


「いるよ。そこの部屋の奥で睨みあってる。

ああ、だけど怨念が強い分、正の方が力も強いんだな。

このままじゃ和子さんが消されてしまう」
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