オトナの秘密基地
「随分ご都合主義なんだな。
実際はどうだったのか、客観的に話してやるよ」
中田さんが早口でみんなに解説。
「この祖母(ばあ)ちゃん……自分の夫一筋だった。
だからこの男の横恋慕が実るはずもない。
しかも、夫が戦地に行ってる間、まだ戦死の情報も何もない時に、未亡人になったら財産もろとももらうと言ったそうだ」
そこまで話して、園子が疑問を口にした。
「この人は徴兵されなかったの?」
「検査で嘘の申告をして、徴兵逃れをしていたんだ」
「なんなのそれ!
この男、そういう自分にとって都合の悪いことは全部水に流したつもりになってるわ」
麗華が怒ってる。
「現実の厳しさを知らないまま大人になった典型ね。
現代ならさしずめ自宅警備員にしかなれないタイプかしら」
呆れたように、桜もツッこむ。
実際はどうだったのか、客観的に話してやるよ」
中田さんが早口でみんなに解説。
「この祖母(ばあ)ちゃん……自分の夫一筋だった。
だからこの男の横恋慕が実るはずもない。
しかも、夫が戦地に行ってる間、まだ戦死の情報も何もない時に、未亡人になったら財産もろとももらうと言ったそうだ」
そこまで話して、園子が疑問を口にした。
「この人は徴兵されなかったの?」
「検査で嘘の申告をして、徴兵逃れをしていたんだ」
「なんなのそれ!
この男、そういう自分にとって都合の悪いことは全部水に流したつもりになってるわ」
麗華が怒ってる。
「現実の厳しさを知らないまま大人になった典型ね。
現代ならさしずめ自宅警備員にしかなれないタイプかしら」
呆れたように、桜もツッこむ。