オトナの秘密基地
口火を切ったのは珍しく園子だった。


「見初めてやったのにって言ったでしょう?

それってすごい思い上がりだよ?

だいたい、あなたの方が先に好きになったのなら、チャンスはいっぱいあったでしょう。

それでもダメだったということは、あなた自身に問題があるの!

好かれる努力が決定的に不足してるわ!」


さすが、玉の輿。

園子は可愛いだけじゃなく、ホントに努力して常務夫人の座を射止めたからなぁ、と変なところで感心した。


「おお、明らかにダメージが増えたみたい。

さあ、次はあたしが言っちゃおうかな」


麗華が心なしか、楽しそうに語りかける。


「遺産なんてあてにする方が間違ってんの!

お金が欲しけりゃ自分で稼ぎなさいよ。

あたしなんて、自分の稼ぎで二人の子ども育ててんの。

生活けっこうきついけど、誰からも施されない自分に誇り持ってるもんね!

や~いや~い、悔しかったら女に負けずに自分で稼げ!」


完全に子どものケンカのような口調で面白がっているけど……大丈夫なのか!?
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