オトナの秘密基地
「仮にあなたと結婚した場合、中田さんのお祖母ちゃんに何かメリットはあったの?

好きでもない男と無理やり結婚させられて、幸せになれると思う?

それでハッピーエンドになれるとしたら、お互いが歩み寄って努力して、さらに相手の魅力がUPした時ね。

もしくは、夢見る乙女が大好きな少女マンガか携帯小説みたいな、甘々フィクションの中だけ!」


やっぱり桜、各方面を敵に回す勢いで、弱いところをえぐっていく。

でも、肝心な事がわかってないかも。

……見えないし会ったこともない相手だから仕方がないのかも知れないけれど。


「ちょっと桜、その例えじゃ後半は正さんにとって理解不能だよ。

多分大正生まれで、昭和20年代に亡くなった人なんだから」


桜のツッコミについ、私がツッコミ返してしまった。


「あらそうなの? でも、いつの時代でも夫婦や家族が幸せになれる条件は一緒のはず」

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