オトナの秘密基地
「あなた、このまま怨霊になってていいの?

あなたが恨んでる人、仕事も恋愛も順調よ。

この先いくら恨んでも通じなくて、ますます空しくなると思うの。

本当は、もっと違う生き方を模索してみたいんじゃない?

……いや、生きてないけど、霊としての人生よ!」


霊に人生があるのかわからないけれど、何だか桜の話は妙な説得力があった。


「あなたにはきっと、違う可能性があるはずなの。

……ねえ、知ってる?

ノミって、あんな小さな体なのに、20センチも跳べるんだって。

160センチの人間に換算したら、80メートルも垂直跳びできることになるの!」


何でいきなりノミの話!?

桜の話の飛びっぷりにもびっくりだけど。

みんなはただ、黙って桜の話に聞き入った。
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