オトナの秘密基地
「たまにうちの両親が帰国した時とかに使うかも知れないが、基本的には好きに使ってくれて構わない」


両親、という話が出た時に思い出した。

中田さんのご両親、どうしてるんだろう?

彼も同じことを思ったらしく、すぐにスマホを握って席を外した。

その間、マスターと私達はあの部屋の使い道をあれこれ考えていた。


「ただの除霊とヒーリングだけに使うにはもったいないよな。

最上階で景色もいいし……」


それを聞いて園子が目を輝かせた。


「1日1組限定の貸切カフェやバーとして使うのはどうですか?

それなら、大事な商談や記念日にもゆったりと使えそう!」


「お、イイね!

1組なら、俺ひとりで切り盛りできそうだし。

何しろ賃料タダだから採算も取れるな」
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