オトナの秘密基地
「それより、新婚生活はいかが、中田和実さん?」


出来上がった料理を運ぶ麗華が、お皿を置きながら聞いてきた。

やっぱり、このネタは避けられなかったか。


「……楽しんでるよ、うん」


照れながら答えると。


「まだ籍入れてから1か月だもん、それはもう楽しくて仕方がない時期だよね~」


園子もにっこり笑って、私と博矢さんを交互に見つめている。


「何か最近、和実のお肌もつやつやで、満たされてる感じだもん。

干物女子から一気に愛され女子になっちゃったよね~」


麗華にも茶化されて、もうこの話題を変えようと思っていたら。


「ところで麗華ちゃんも、何だか満たされてそうな感じだけど、違う?

あいつも最近、ご機嫌なんだよな」


博矢さんの目線の先には、カウンターキッチンでフライパンを振るうマスターの姿が。
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