オトナの秘密基地
境内を出て、くるりと後ろを振り返ったら、もうおばあちゃん達はいなくなっていた。
あれはもしかしたら、幸子さんとケイコちゃんの幻、だったのだろうか。
ちょっと無口になった私を気にしてくれたのか、話しかけられた。
「どうした?」
博矢さんに聞かれて、ちょっと迷いながらも言ってみることにした。
「博矢さん、何をお祈りしたの?」
「いや、普通に結婚の報告と、家内安全、かな? 和実は?」
「私も似たようなもの、なんだけど、実はもう一つ……。
神様と博矢さんに協力してもらわなきゃダメなことがあるの」
そこまで言って、真っ赤になった私を見た彼が、すぐに察してくれた。
「家に帰ったら喜んで協力するよ。
神様も国家安泰と子孫繁栄のために協力するってさ」
美しい北の大地の青空で、和子さんと征二さんがこのやりとりを見て、微笑んでいるような気がした。
【完】
あれはもしかしたら、幸子さんとケイコちゃんの幻、だったのだろうか。
ちょっと無口になった私を気にしてくれたのか、話しかけられた。
「どうした?」
博矢さんに聞かれて、ちょっと迷いながらも言ってみることにした。
「博矢さん、何をお祈りしたの?」
「いや、普通に結婚の報告と、家内安全、かな? 和実は?」
「私も似たようなもの、なんだけど、実はもう一つ……。
神様と博矢さんに協力してもらわなきゃダメなことがあるの」
そこまで言って、真っ赤になった私を見た彼が、すぐに察してくれた。
「家に帰ったら喜んで協力するよ。
神様も国家安泰と子孫繁栄のために協力するってさ」
美しい北の大地の青空で、和子さんと征二さんがこのやりとりを見て、微笑んでいるような気がした。
【完】