オトナの秘密基地
メタリックフレームの眼鏡の奥に、理知的な瞳が見えた。
すっと伸びた鼻筋とシャープな顎のライン。
ほんの数秒、いや、1秒にも満たないほどの間、私たちは見つめ合う。
何か言いたげに開いた口から言葉が発せられる前に、彼は盛り塩の入った小皿を手から滑らせた。
「……!」
小皿が床に叩きつけられる様子を、まるでスローモーションのように眺めていた。
陶器の皿が粉々に砕け散り、固まっていた塩も散り散りに飛ぶ。
それと共に、何故か私の体もふわりと飛んだような気がした。
どうして?
私と彼の視線が絡み合ったまま、目の前が白くなる。
盛り塩の白か、新しい壁の白か、それとも……?
すっと伸びた鼻筋とシャープな顎のライン。
ほんの数秒、いや、1秒にも満たないほどの間、私たちは見つめ合う。
何か言いたげに開いた口から言葉が発せられる前に、彼は盛り塩の入った小皿を手から滑らせた。
「……!」
小皿が床に叩きつけられる様子を、まるでスローモーションのように眺めていた。
陶器の皿が粉々に砕け散り、固まっていた塩も散り散りに飛ぶ。
それと共に、何故か私の体もふわりと飛んだような気がした。
どうして?
私と彼の視線が絡み合ったまま、目の前が白くなる。
盛り塩の白か、新しい壁の白か、それとも……?