オトナの秘密基地

バリカンでサイドやバックにラインを入れてたりするかも知れないけれど、触っただけではわからない。

「カツヤ」はグズベリーをおいしそうに食べて、それからまた、私にしがみついた。

静かになった「カツヤ」を見て、さっき抱っこしてくれたおばさんが言った。


「やっぱり、母さんがいいんだね~」


私、本当は母さんじゃないですよ~。

……なんて、言えない雰囲気だった。

とにかく、ここにいる間は「カツヤ」を泣かせないようにして、おとなしくする他ない。

膝の上で「カツヤ」をゆらゆら抱っこをしながら、夢の中の私は一体、どういうポジションなのか考えた。


まず、私は少なくともひとり、子どもを産んでいる。

子どもの名前は「カツヤ」で、2歳位?

隣にいるのは「カツヤ」の父親、つまり私の旦那様、らしい。
< 39 / 294 >

この作品をシェア

pagetop