オトナの秘密基地
「片付けはいいから、早くカツヤと一緒に休みなさい。
誰よりも早く避難してたということは、身重の体で無理して走ったんじゃないか?」


ミオモ?

一瞬、頭の中で変換できずにいた私だったけれど、頭じゃなく、体で理解した。

お腹の下の方に、違和感があった。

なんとなく重苦しくて、皮膚が張っている感じ。

ってことは、私、もしかして、妊婦?


……ちょっと、待って。

妊娠どころか、実は妊娠に至る行為すら、はるか昔に未遂で終わって以来、全く機会がなかったという干物の私が妊婦!?

まさに『私』としては、処女受胎、なんて。

畏れ多いお方と自分を並べてみたけれど、まあ、これは夢なんだし。

ますますネタが増えたと思えば、この波乱に満ちた夢をじっくり味わうのも悪くないかも知れない。


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