オトナの秘密基地
玄関のドアを開ける音に続き、話し声が聞こえた。

もちろん、中田さんは話せないから、一方的な話になっているんだろうけれど。


「またお前、訳わかんね~事になったな。

聞いてやるのだけはタダだけど、後はちゃんともらうぞ。

……って、今の状態じゃ、聞くこともできないのか、ははは」


ん?

どこかで聞いたことのある声だった。

和室の襖を開けて、最初に入ってきた人は。


「マスター!?」

「あれ、和実ちゃん!」


私達女4人のランチ会場、Café navyのマスターだった。


「知り合いなのか?」


中田さんが口パクでマスターに聞いている。


「そ。うちの常連さんで、パートの麗華ちゃんの友達」
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