オトナの秘密基地
「それ以外の余計なことは絶対しちゃダメだ」


「余計な事って?」


なんとなく想像はついたけれど、念のため聞いてみた。


「歴史が変わるような事。

例えば、博矢のお祖父さんを助けようとするとか」


やっぱり、想像通りの返事だった。

その時代の歴史を少しでも変えてしまうと、後の私達の時代にひずみが出るもの。

もちろんしない、と言いかけたその時。

目の前が、一瞬、真っ白になった。


「……ううっ」


頭の中をバットで殴られるような、ものすごい衝撃。


「和実ちゃん、どうした?」


答えようとするのに、口から出てくるのはうめき声だけだった。



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