優しくしないで、
(あーあ。早速見つかっちゃった…神崎君なんてゆーんだろ)
ちらっと横目で神崎君をみると…、
「っ!?」
満面の笑みを浮かべている…
(なに考えて…)
「すいません…ちょっとふざけてて…ぶつかったら割れちゃって…ほんと反省してます!すいませんっ!なぁっ!藤村も反省してるよなぁ?」
(…………は?)
「んんーんっ?」
(え…なに?私も割ったみたいになってる?ちょ、え…なんで、え?ん?)
しばらくの沈黙が続き…、
「はぁ…入学式ではしゃぎたい気持ちも分からなくはないが…もう高校生なんだからな?…ふぅ…とりあえず指導室行くぞー…」
おもむろに先生がそう言うと、
「はーい♪」
満面の笑みを浮かべこちらをみる神崎君…
「もちろん、藤村もだよ?」
がっしり手を握られ指導室に連れていかれると
かれこれ二時間こってりお説教を聞かされやっと解放された…
(もぉ…我慢の限界…)
「神崎君ー?どーして関係ない私が君と一緒にお説教くらわなきゃいけないのかな?ん?んん?」
きっと私は怒りの形相だった…………ハズなのに、
「ごめんね?お説教くらうなら可愛い女のコと一緒の方が気が楽だと思ったから…ほんと、ごめんね?」(にこー
満面の笑みでそう言うと教室に何事もなかったかのように入っていった…
二時間もお説教くらって、出遅れしたのにも関わらずクラスの中に堂々と入って行っちゃった神崎君を私は…
確信犯だと確信した…、
「私…取り残されちゃったんですけどっ!!」
(教室の後ろのドアからそろーりと入ると…)
「東中出身、神崎 秀です…よろしく」(ニコ
女子((カッコイイ…//))
(堂々と前に立って自己紹介してるしッ…!しかも女子…ノックアウトだしっ!!)
「役得すぎる…イケメンめ…」
―こうして私と神崎君と出会い、物語は始まったのだ…―