優しくしないで、
**初めてのキモチ**
―あの入学式から一週間―
「ねぇ♪神崎君は彼女とかいないのぉ?」
「好きな女のコのタイプゎ~?」
「てか神崎君今度遊びいこーよぉ」
えぇ。
神崎 秀君はわざとらしいくらい、これでもかってくらいモテてますよっ!
それに比べ、私は…
「ほんっと神崎君はもてるよねぇ…うちのクラスの男子がちょっと可哀想だっ」
そう言いケラケラ笑うこの女のコは、入学してからできた私の友達、篠崎 瑠璃(しのざき るり)。
「ですねぇっ…ちょっとモテすぎですよぉ~っ!カッコイイから仕方ないかぁ」
この子はぶりっこに間違えられるがこうみえて結構さばさば女子…高校に入ってからの私の友達、角川 美亜(かどかわ みあ)。
この二人とはクラスが同じでいつも一緒にいる、
(相変わらずモテまくりの神崎君…それに比べ私は平凡なただの女子高生…まぁ…そんなもんかぁ…)
そうやってぼんやり複雑な気持ちになっていると、
「おっ!リンリンだー!おはよー♪」
そう言いニコニコしながら近寄って来るのは…、
「っ!!…、神崎 秀っ!!…くん…、」
(何故っ!?)
「おーはよっ♪」
そう言い肩を組んでくる神崎君…、
「いや…いやいやいや…、はい?私らそんな仲良しでしたっけ?」
当然の反応…、私はそう言うと
「ふはっ…、クククッ…そうだね…うん…じゃあ…これから仲良しね」(ニコ
(ッ…//)
どうやら私はこの笑顔に弱いみたい…
まぁ…神崎君は人気者なわけで…私みたいな平凡女子にこーんな態度だと気にくわない人もいるわけで…、
「ちょっとぉ…神崎君!!誰その子ーっ」
「なんでそんなに仲いいわけーっ!?」
飛び交う声はさっきまで神崎君を取り巻いていた女子達…、
「「どーゆー関係なのっ!?」」
詰め寄る女子に私は目をチカチカさせる…。