漆黒のタクティック 【1巻】
「リュウ君」
レム先生は心配そうな顔をして言った。
「確かに、僕は、力とか弱いです。それは、自分でも、分かってます。でも、校長先生はこんな僕でも学校に入学させてもらったんです。僕は、何も校長先生に恩を返してないのが悔やんでいるんです」
「そうね。でも、そう言ってくれたら、きっと、校長先生も嬉しいかもね」
レム先生は笑顔でそう言ってくれた。
「リュウ君、悪いんだけど、この事件に関してはかかわってほしくないの」
「え?どうしてですか?」
僕は言った。僕は、優しい校長先生をこんな目に合わせたのだ。
僕は許せなくて仕方が無かったのに。