漆黒のタクティック  【1巻】


「まあ、リュウは安静にしていて。大丈夫よ!授業はちゃんと聞いてノート取るから!」
そう言って、笑顔で退室していく。
でも、リズは本当は不安じゃないのかなって。まあ、僕も人のこと言えないから。
すると、アヤメが壁に寄り掛かっていたのを普通に立ち、僕の所に来て
「もし、不安だったら、私のノート見せてあげるから、別な意味で安心して」
笑顔で言ってくれたけど。
「・・・別な意味って?」
「リュウも、うすうす感ずいてるんでしょ?リズは結構ノート書くの雑だから」
「あ、ゴメン、アヤメ。僕が心配しているのは“そこ”じゃないんだ」
僕は、顔を下に向けて言った。
「“そこ”じゃないって?」
と、アヤメが言った。


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