漆黒のタクティック 【1巻】
「じゃあね」
僕はウリッドに手を振って図書室を後にする。
すると、ウリッドの表情が変わり、
「そこにいるんだろう?ユージン」
ウリッドは何も振り返らずに言った。
すると、本棚の間から15歳くらいの男の子が出てきた。
紫の帽子とマントを覆った人が。
「・・・ケケケ。どうして俺の存在に気付いた?」
するとウリッドは目つきを怖い表情に変えて
「お前、まだ、あいつの言いなりになっているのか?」
「あいつって?」
ユージンはとぼけた様子で言った。