漆黒のタクティック 【1巻】
僕は精一杯力を込めて呪文を唱える
【フォルトーン】
すると、光が雲のような形になっていき、白い光を放ちながら、僕の目の前を漂う。
「光の雲?・・・・・・あ、お願い。ウリッドを助けて」
僕がそう言うと、その光の雲はウリッドの下に配置し、ウリッドをクッションのように優しく乗せてくれた。
そして、ウリッドをそっと地面の上に移動すると、フワフワと消えていった。
僕は、走ってウリッドのそばに駆け寄る。
すると、ウリッドは力を振り絞って口を開き、
「俺の、事は、構うな!・・・早く、逃、げ、ろ!」
ウリッドは全身が大けがを負っている。