漆黒のタクティック  【1巻】


実は、全地方共通で、12歳を過ぎたら、魔法学校入学許可願いが届けられて、自分の意思があれば、入学金が無くても試験に受ける事が出来る。
でも、僕はその時は、自分の意思なんて全くなかった。
「だから、私、勝手に学校に入学したんだ。ダイバもきっと入学しているはずだと思っていたけど。」
「思っていたけど?」
「ダイバは入学なんてしていなかった。むしろ、ダイバは敵の軍隊にやられたって噂も流れていたけど」
「……。」
僕はただ、黙っているしかなかった。リズは悲しい心の声を、今、話しているのに……。
「ダイバにね。裏切られた時、人は簡単には信じちゃいけない!って心に強く誓ったんだけど、リュウに出会ってから、ちょっと変わってきたかな?」


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