Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「おはようさん、まりあ♪」
「あ、おはよう……」
学校に着くなり、まりあたんに馴れ馴れしくしてきたのは、金髪兄たんだ。
正体不明、要注意人物。
「フーッ!!」
「もーまりあ、瑛に似すぎやで、この猫ちゃん。
そんなに嫌わんでもええやんか、なぁ」
とぅたんに言われた通り、体中の毛を逆立てて威嚇するけど、
本人は全然気にしてくれない……。
「オーリィ、アキちゃんは普通の人には見えないから」
「あ、そうやった。ごめんな」
まりあたんに困ったように言われ、金髪兄たんは手で口を塞ぐ真似をした。
「なんや、今日も葬式みたいな顔しよって。
僕が慰めてやろうか?」
すきを見て、まりあたんの肩に腕をまわす金髪兄たん。
しかしボクが噛み付くまでもなく、
まりあたんはやんわりとその腕をかわし、
トボトボと教室へむかっていってしまった。