Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「あーあ……
相当落ち込んでるなぁ、あれは……」
「…………」
「なぁ、猫ちゃんよ」
「?」
あ、ボク?
ボクに話しかけてたの?
まりあたんも変わってるけど、この金髪兄たんも相当変わってるなぁ。
普通の術者は、用があるときしか使い魔に話しかけないようなことを、とぅたんは言ってたのにな。
「……にゃう」
どうしたらいいんでしょうね。
ボクはそんなニュアンスで、鳴いた。
金髪兄たんに伝わるわけないと思いながら。
でも。
金髪兄たんは、他の人の目をごまかすため、靴紐を結ぶふりをしながら、
ボクに小さな声で話しかけた。
「僕に案があるんやけど、猫ちゃんやってみるか?」
と。