Thanks for XX【六花の翼・番外編】
その日の夜……
ボクはいつも通り、まりあたんと一緒にベッドに入った。
「アキちゃん、ひんやりして……」
もう、ボクは保冷剤じゃないのに。
そう思いながら、素直に体を冷やし、まりあたんの胸元にもぐる。
まりあたんはボクをなでながら、小さな声で言った。
「アキちゃん……変身してみる?
あたし、ぷち瑛ちゃんに会いたいな」
「にゃうっ!!」
きっと、皆が寝てるから、誰ともお話ができなくて寂しいんだ。
ボクは喜んで返事をした。
変身させてくれれば、金髪兄たんの作戦を実行できる。
まりあたんは気づいてないけど、
ボクの力はまりあたんと仲良くなるたびに、
ちょっとずつ強くなってるんだからね。
何も知らないまりあたんは、にこっと笑って。
ボクに向かって、念じはじめた。