Thanks for XX【六花の翼・番外編】
あ~、ひっさしぶりやなあ。
日本は10年ぶりくらいか?
堂々と空港のゲートを通ったテロリストの僕に、
黒髪のヤマトナデシコが手を振ってくれた。
「オーリィ!!」
「まりあ!まぁまぁ、綺麗になって!!」
駆け寄ってくれたまりあを抱きしめる。
あー、ホンマ懐かしいわ。
めっちゃいいにおい……
って、再会にひたる暇もなく、
ボクのコートの襟を、何者かがぐいとひっぱった。
犯人はわかってる。
「もー、相変わらずケチやなあ、お前は」
「相変わらず馴れ馴れしいやつに言われたくない」
僕をにらみつけ、まりあを自分の元へ引き寄せるのは、
髪を黒く染め、同じような黒のカラコンをしている瑛だった。