Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「おい」
「……っ!」
心臓がありえへんくらい、激しい鼓動を打っていた。
そのせいで、一瞬呼吸の仕方を忘れる。
視界に入ったのは、カラコンを外した紫色の瞳。
ああ、良かった。
僕がいるんは、こっち。
さっきのは、悪い夢。
こっちが、リアルや。
「大丈夫か?」
「……大丈夫やないわ……
水、もろてええかな」
「もちろん」
意外に優しい声を出した瑛は、僕を助け起こし、
リビングから出るベランダへ連れて行ってくれた。
……やっぱり、優しない。
今、真冬やで!!
寒風吹きっさらしの刑か!!