Thanks for XX【六花の翼・番外編】
ビルの屋上は、夏の熱風が吹いていた。
仕事仲間の医療事務員四人組
(全員独身、もちろん女)
は、いつもはイタリアンビュッフェとか、
個室居酒屋だけど……
今日は屋外でビール。
「ぷはぁ~!」
今年で23になったあたし、西尾清良様は、
もちろん……独身である。
空になったジョッキをテーブルにたたきつけると、
同僚たちが笑った。
「清ちゃん、おもろー」
「飽きないよね、西尾さん見てると」
「何それー。皆ももっとのみなよ~」
皆、あたしを“おもしろい”という。
それは、間違ってない。
あたしはどこへ行っても、友達に不自由した事がなかった。