Thanks for XX【六花の翼・番外編】


「大丈夫?

また飲んだの?」


太一は背後から背中をさする。


「ううん、東京バナナを食べ過ぎたのかな……」


視線を上げると、そこにはサニタリー用品の小さなかごがあった。


「あ」


「?」


「生理……きてない」


「って……ええっ!?」



太一はあとずさった。


くるりと振り返ると、その背中は廊下の壁についていた。


「まさか……」


「デキ……ちゃった……?」


「……ビビるんだけど……」



素直な太一は、そう言って。


薬局に、走った。


もちろん、検査薬を買うため……。


そして。


トイレから脱出したあたし達が見たのは。


検査薬の小窓からのぞく、一本の青い線だった。


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