Thanks for XX【六花の翼・番外編】
真夜中、仕事から帰ってくると。
部屋の電気は、既に消えていた。
それについて、文句はない。
むしろ、毎日寂しい思いをさせて、すまないと思っている。
音を立てないように玄関を開け、風呂に入って着替え、寝室に入る。
まりあはベッドで、すうすうと寝息を立てていた。
良かった。
そのまま、寝てればいい。
俺はこんな時ばかりは、忍だった事に感謝した。
今は、岡崎一族は解散した。
元々村があったところは、いつの間にか地図に載るようになった。
今は農業に従事する者や、まだ占い師として生計を建てている者達が、そこに住んでいる。
忍達は、暗殺業を捨てた。
その代わり……。
警備会社を起こし、結局用心棒や探偵もどきな仕事で、社会に溶け込んでいた。