Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「は?」
初耳だ。
「そうか……おめでとう」
『ありがとう♪って、違うでしょうが!』
「大体わかった。礼を言う」
『あのねぇ……ちゃんと、話し合いなさいよ?』
「……気が向いたらな」
清良がまだ何か言うのを聞かないように、電話を切る。
「……そういう事か……」
あいつが親友のおめでたを喜べないなんて。
つまりは、そういう事だろう。
まりあは、清良がうらやましいんだな……。
「どうしたものか……」
もう、逃げ続ける事はできないか。
しかし、気が重い。
何とか核心に触れず、機嫌を直す事は……。
「できそうにないか……」
ため息をつき、手元を見る。
タバコの箱は、いつの間にか空になっていた。