Thanks for XX【六花の翼・番外編】
小さな服や、食器や、おもちゃ。
そんなものを次々に手にとり、目を細めたり、首をかしげたりしている。
そして……。
寂しそうに、ため息をついた。
おいおい……。
俺は勇気を出し、彼女に話しかけた。
「おい」
「あっ!なに、なんで?」
「そこで見かけたから」
「も~驚かさないでよ、元忍者め!」
まりあはキャハハと笑い、俺の肩を叩いた。
「……贈り物か?」
「ん?」
「太一と清良に、二人目ができたんだろう?」
「あー……、うん、聞いたんだね。
早いってわかってるんたけど。
まだ性別もわからないし。
ただ、ちょっと見てみようかな、なんて……」
「そうか」
「二人目は、男の子が希望なんだって」
「ほう」
「うん……
ダメだね、やっぱり、無事に顔を見るまでは選べないや」
行こう、とまりあは俺の手を引いて、店から出てしまった。