Thanks for XX【六花の翼・番外編】
風呂を済ませて戻ると、テーブルにはきちんとした食事が並んでいた。
ありあわせで作ったとは思えない。
「あー、お腹空いた。
いただきまーす」
「いただきます」
そういえば昔から、こいつはやたらと料理が好きだったな。
ストレス解消になると言っていたが、俺には無理だ。
素直に、尊敬する。
美人で、仕事もできて、料理もうまくて。
多少強情だが、基本は男を立ててくれる。
嫁にするのに、不満なんかない。
むしろ完璧すぎるほどで……。
……申し訳ない……。
どうしても、最後の一歩が踏み切れない。
こんな事を続けていたら、いずれは愛想を尽かされてしまうだろうに。