Thanks for XX【六花の翼・番外編】
夜も深まり……。
結局、何事もないままベッドに入って電気を消した。
隣に身体を寄せるまりあが、ぽつりとつぶやく。
「なんか、久しぶり……ですね」
……これは。
そういう事、なんだろうか。
そりゃあそういう事は嫌いではないが……。
今夜ばかりは、それがものすごく重たい。
「あぁ、久しぶりだな……」
そうかわして、そのまま寝てやろうとした。
すると。
「……バカ」
非難の声を上げ、まりあはくるりと背を向けてしまった。
あぁ、しまった。
へそを曲げてしまった……。
「……まりあ」
後ろから抱き寄せて、耳元で名前を呼ぶ。
しかしその体は、後ろを向いたままだった。
「……したいなら、こっちを向け」
「別に、無理にしていただかなくて結構です。
疲れてるんでしょ?
寝れば良いじゃない」