Thanks for XX【六花の翼・番外編】
それは、ともかく。
それから色々あったけど、
奇跡のように、あたしと太一は、まだ続いている。
太一は卒業と同時に、安城家15代目を継いだ。
れっきとした陰陽師デビューだった。
おじさん、おばさんより力の強い太一は、
陰陽師として引っ張りダコで……
悪霊退治でも、ただの地鎮祭でも、
呼ばれればどこにでも行く。
そんなわけで、あたしがこの町に就職が決まると同時に、
もれなく太一もついてきた。
理由は……もっと、交通の便がよいところに住みたいと思ってたから。
ちょうどいいから、一緒に住もう、だって。
断る理由もなかったから、
駅が近いアパートを、二人で借りた。