Thanks for XX【六花の翼・番外編】


するとまりあは、呆れたような顔をした。


涙はもう、どこにもなかった。



「どんだけネガティブなの?」


「お前は危機感がなさすぎる」


「そんなの、文字通り、

“案ずるより産むが易し”でしょ。

大丈夫、大丈夫」


「お前なぁ……」



なんだか、力が抜けてきた。


俺が深刻に考えてきたのは、なんだったんだ。



「どんな子でも、大丈夫。

世の中には金髪の子も、

肌が黒い子も色々いるんだもん。

一緒、一緒」


「……そうか……?」


「運動が得意な子もいれば、

霊力持った子だっているよ」


「違う気がする……」


「あたし達の子が、ただイジメられて黙ってるような子になるわけないじゃない。

ね?」


「それは、確かに……」



なんだか、乗せられている気がする。



そんな俺に、まりあはとどめを刺した。


< 63 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop