Thanks for XX【六花の翼・番外編】
するとまりあは、呆れたような顔をした。
涙はもう、どこにもなかった。
「どんだけネガティブなの?」
「お前は危機感がなさすぎる」
「そんなの、文字通り、
“案ずるより産むが易し”でしょ。
大丈夫、大丈夫」
「お前なぁ……」
なんだか、力が抜けてきた。
俺が深刻に考えてきたのは、なんだったんだ。
「どんな子でも、大丈夫。
世の中には金髪の子も、
肌が黒い子も色々いるんだもん。
一緒、一緒」
「……そうか……?」
「運動が得意な子もいれば、
霊力持った子だっているよ」
「違う気がする……」
「あたし達の子が、ただイジメられて黙ってるような子になるわけないじゃない。
ね?」
「それは、確かに……」
なんだか、乗せられている気がする。
そんな俺に、まりあはとどめを刺した。