Thanks for XX【六花の翼・番外編】
きっと、夢だ。
あるいは、何者かの呪いだ。
俺はベッドから、飛び降りた。
そこらじゅうに隠し持っていた苦無や短剣は、
そのままの大きさでごろごろと床に転がっている。
これは、使えそうにない。
何か、武器になるものはないか……
そうだ。
まりあが、裁縫道具を持っていたはず。
あの中の、針を使えば……
いやいやいや。
そんなもので、仕事ができるわけない。
「おーい……」
俺は1階から、まだ寝ているまりあに声をかけてみた。
しかし、誰も出てくる気配はない。
そうだ。
あいつを起こして、夢見姫の力で元に戻してもらおう。
「よし」
俺は、階段を見上げた。
足に力を込め、跳躍しようとした瞬間……。
がさり。
背後で、不吉な足音がした。
おそるおそる、そちらを振り向くと……。