Thanks for XX【六花の翼・番外編】


「な、なぬっ!!」


目の前に現れたのは……。


茶色に光る甲冑を持つ、バケモノだった。


二本の触覚が俺に迫る。


こ、これは。


ゴキ……


「うおおおおおおっ!!」


気がつけば、俺は炎の幻術で、ソレに攻撃していた。


ソレが炎の中でもがく間、慌てて階段を上がる。


何段も跳躍で上がっていたら、二階に着くころには息が上がっていた。


「まりあ!!まりあ!!」


まりあの部屋のドアを叩くが、反応はない。


完全に、寝ていやがる……!


「おい!でて来い!」


この家は、綺麗に見えるがそうとう古い。


他に、どんなものがいるかわからない。


俺は、必死に意識を集中して、一緒にいるはずの使い魔に呼びかけた。


『おい!起きろ!』


やがて、ドアの向こうから、トントンという使い魔の足音が聞こえてきた。


よし……。


使い魔は、閉まったままのドアをすり抜けてくる。


「うっ……」


コイツも、巨大なバケモノに見える。


< 71 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop