Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「な、なぬっ!!」
目の前に現れたのは……。
茶色に光る甲冑を持つ、バケモノだった。
二本の触覚が俺に迫る。
こ、これは。
ゴキ……
「うおおおおおおっ!!」
気がつけば、俺は炎の幻術で、ソレに攻撃していた。
ソレが炎の中でもがく間、慌てて階段を上がる。
何段も跳躍で上がっていたら、二階に着くころには息が上がっていた。
「まりあ!!まりあ!!」
まりあの部屋のドアを叩くが、反応はない。
完全に、寝ていやがる……!
「おい!でて来い!」
この家は、綺麗に見えるがそうとう古い。
他に、どんなものがいるかわからない。
俺は、必死に意識を集中して、一緒にいるはずの使い魔に呼びかけた。
『おい!起きろ!』
やがて、ドアの向こうから、トントンという使い魔の足音が聞こえてきた。
よし……。
使い魔は、閉まったままのドアをすり抜けてくる。
「うっ……」
コイツも、巨大なバケモノに見える。