Thanks for XX【六花の翼・番外編】


「あっ、瑛さんっ!?」


俺の姿を見つけたまりあは、使い魔をなだめ、

しゃがみこんで俺を見た。


「どうしちゃったんですか?」


「知るか!起きたらこうなってたんだ!

早く元に戻してくれ!!」


恥もプライドも捨てて、懇願する。


するとまりあは、俺を手のひらに乗せた。


う……。


至近距離に、まりあの巨大な顔が近づく。


長いまつげが刺さりそうだ。


……しかし……


この距離で見ても、毛穴がわからないとは……。


素晴らしい。


じゃ、ないっ!!


まりあはボーッとした俺を、指先でツンツンしはじめた。


「は、ひぃ、こら、やめろ、くすぐったい」


「いや、点検を……本当に、瑛さんですよね?」


「ふ、ふひゃ、

あっ、こら、何をするっ!!」


あろうことか、まりあは俺の服をつまんで脱がそうとする。


「いや、細部まであったら本物だと思うんですけど……」


「ばっ、バカモノっ!!」


まりあは『おお、腹筋の線までちゃんとある』と感心した。


だから俺は、人形じゃないんだ!!


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