Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「瑛さん」
「な、なんだ」
「可愛くお願いできたら、元に戻してあげますよ?」
な……っ!?
「可愛く?って?
すまん、さっぱりわからない」
「もー。そういうテクも、忍には必要だと思いますよ?
あたしをキュンとさせてくださいよ」
はあああああ?
キュンって、何だ。
変な漫画の読みすぎか。
しかし、まりあは答をくれそうにない。
俺は必死で、考えた。
そして……。
「あ、あの……」
「はい?」
「もう少し、寄ってくれないか」
「はあ」
記憶の奥底から引っ張り出してみた。
幸せだった日の、思い出を……。
俺が嬉しかったことをすれば、いいのかもしれない。
そう思ったから。
本当に幼い頃、母がしてくれたように……。