Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「しかし一体なんで、小さくなったんだ……?」
着替えを済ませた俺たちは、遅くなった朝食をとっていた。
「知りませんっ」
まだ頬をふくらませているまりあが、テレビの電源をつける。
しかし、そこには何の絵も映らない。
画面右上に、『ビデオ1』と出るだけだ。
「あ……っ!!」
唐突にまりあが叫んで、テレビ台へ向かう。
その中から何かを取り出し、背後に隠した。
「おい……?」
「はい……」
「見せてみろ!」
「あぁっ!」
簡単に奪ったそれは、一本のDVDなるものだった。
そのジャケットには、題名と二次元の少女が描かれている。
裏を見ると。
『小人と人間の、心温まるラブストーリー』
と、書かれていた。
「お前……これ、昨夜見たのか」
「は、はい……」
「もしかして、これで、
俺が小さくなったらいいなぁとか、思ったのか……?」
怒りがふつふつと湧いてくる。
まりあはぷるぷる震えながら、弁解した。