Thanks for XX【六花の翼・番外編】
「あたしの進路はあたしが決めるのっ!
そんなグダグダ言うの、清良らしくないよっ!」
「グダグダって……」
清良さんが涙をふき、のっそりと立ち上がった。
「いつも、あたしにはウジウジするなって言うくせに!
清良のがよっぽどウジウジしてんじゃん!」
「なっ……」
おー、珍しい。二人が喧嘩するなんて。
って、のほほんと見てる場合じゃないよな。
「はいはい、そのへんに──」
「なによまりあっ、アンタみたいに、」
「清良さん、」
「いつまでも来ない連絡待ってるウジ子に、
言われたくないよっ!!」
さぁ、と一瞬で血の気が引いた。
姉ちゃんの顔からも、同じように。
そして……
パァン!!
乾いた音が、放課後の廊下に響いた。